『死ぬまで、働く。』池田きぬ

97歳の現役看護師の本。

一旦は定年退職で仕事をやめたが、3日も家にいると仕事に行きたくなる性分で、今の職場には88歳の時に応募し、採用された。

労働してお給料をもらえるのは純粋に嬉しい。そのお給料で孫の学費を出していたという。

91歳まで原付バイクで通勤していたが、家族に危ないからやめろと言われ、自転車にしたそうだ。その年で自転車に乗るというのも。

町内の役員も、まだ引き受けるつもりだと読んで、またまた驚いた。
うちの町内では80歳になれば、いくらなんでも役員をしてくれとは言えないと思っていたが、まさか97歳でもまだ役員をするのかと。
みんなが嫌がる町内役員をするなんて、利他の精神、奉仕の精神に満ちていて素晴らしい。こういう人には長生きしてほしい。逆に、社会に何も貢献しないで生き続ける老人もいるが。

最近、政府が悪い、国が悪いと考えている人が多く、「自分のことは自分でする」という思いが減ってきているように感じます。

という言葉にはちょっと反省。自分がそう思っていたからだ。
人や国のせいにするのではなく、「自分のことは自分でする」という心構えでいなければ、97歳で看護師の職を続けることはできないだろう。

下の写真は福沢諭吉の言葉。

「世の中で一番楽しく立派な事は一生涯を貫く仕事を持つと云う事です」

この福沢諭吉の言葉に、「私は看護師しかしてこなかったけれど、それでよかったんだな」と思ったそうだ。一つ一つ読んでみる。いい言葉が並んでいる。
特に私には、3番目と4番目が響いた。

介護認定はまだ受けていないそうだ。もうとっくに介護認定を受けて福祉のお世話になってもいいというのに、人に甘えない姿勢が素晴らしい。

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