『切り裂きジャックの告白』に続く、犬養隼人刑事シリーズの2作目。
7つの色をモチーフとした7つの短編集だった。
どれも善人の心に潜む悪意にゾっとする話ばかり。
みんな加害者であり被害者という構図。
最初と最後の短編がつながっていて、登場人物のその後が語られる。
最初の話しで、「同じことをした以上、わたしも鬼畜に成り果てたのです。それが愉快なことだと思いますか。きっとわたしも碌な死に方はしないでしょう」と語った真摯さが印象的だったが、それで終ったのではなく、ラストの短編に続いていたとは。
心の隙間に入り込み、人の心を思い通りに操作していく。
生活の細部にまで入り込んで逃げることもできなくなる。
犯罪にまでいかなくても、身近にいくらでもある話なのが怖い。
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