『泣くな研修医』中山祐次郎

大学を卒業したての研修医、隆治の子供の頃の描写から始まる。
さつま揚げ屋を営む忙しい両親に、お兄ちゃんが変だ!と助けを呼ぶが、忙しい両親はすぐに来てくれない。そして・・・。
続きの詳しい描写は、最後のエピローグで説明される。

次に、研修医になったばかりの隆治の場面。
美人の先輩後期研修医とカレーを食べている時に、テレビでは、親子三人高速で正面衝突の事故というニュースが。
まもなく電話が入る。「さっきの来るよ」という展開に。
運ばれてきた小さな男の子のお腹からは腸が飛び出していた。

末期の大腸がんの若い男性。もう助からないことを両親に伝えなければならない。
実は隆治と同い年。実は自分は医者になりたかった。しかしセンター試験の点数が取れずに医学部不合格。家が貧乏だったので浪人ができずに工学部に進学した。先生が羨ましかった。いいお医者さんになってくださいね!と隆治に告げ、まもなく亡くなっていく。
その患者への最後の医療行為「お看取り」をする隆治。

おどおどしていて真面目でナイーブな隆治が一人一人の患者さんと正直に向かいながら成長していく。

ちょうど読み始めた日にドラマ化されていたので、ドラマも見てみた。
ドラマも面白かったが、本だと詳しい心理描写があるので、こちらもよい。
三部作になっていて、隆治の成長がみられるので楽しみである。


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