このシリーズは3冊目だが、これが最初に書かれたものだったので副題が書いていなかった。
しかし、帯に「ラノベの書き方教えてください」という副題らしきものがあったので記す。
登場人物は、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治、泉鏡花、中原中也、川端康成、宮沢賢治、谷崎潤一郎。
もうみな死んでいるが天国で生きているという想定だ。
かなりおふざけハチャメチャ入っているが、文豪達が人間くさくて、もしこの人たちがSNSをしていたら、私達と似たことを書いていたかもしれないなあとか、親近感さえ覚える。
「文豪」という固定観念が作った高い城壁を崩してくれるような。
「てよだわ言葉」って現代で言うギャル語だったとはなあ。
「よろしくってよ」とか「すてきだわ」とか。
夏目漱石や尾崎紅葉は若者言葉の乱れを嘆いていたとか。へえ~。
今じゃ逆に古風で奥ゆかしく聞こえるのに。
この文豪達野中ですこし浮いている宮沢賢治がやはり好きというか同類の香りがするというか。
天下の文豪に同類の香りとか失礼か。
童話さえも意味を理解できないというのに。
この宮沢賢治は女嫌いで、ここ天国で合コンに連れて行かれるも、「妹が風邪みたいなんだ!」と言って帰ってしまう。
「永訣の朝」ってあったなあ。
けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
この、(あめゆじゅとてちてけんじゃ)の部分でみなつまづくって書いてあるのがとっても良く分かる。
雨雪を取ってきてください。という方言なんだけど、それが分からないと、「難しそう・・・」とつまづいてしまうんだよなあ。それがまたミステリアス性を帯びるかもしれないけどね。