『消された一家 北九州連続監禁殺人事件』豊田正義

1996年~1997年に実際に起きた8人連続監禁殺人事件。
犯人の松永太は、まずはじめに会社員を騙して監禁、さんざん金づるにした挙句に殺害。
2002年に会社員の娘が逃げ出したことから発覚した。

あとの7人は犯人の妻の一族。
妻も加担しながら、妻の父親(61歳)、母親(58歳)、妹(33歳)、妹の夫(38歳)、妹夫婦の長男(5歳)、妹夫婦の長女(10歳)が、それぞれ加害者、被害者になりながら、互いに殺しあっていく異常事態。

松永により、日常的に通電されて正常な判断ができなくなった家族たちは、松永の言いなりになっていった。
妹の夫は、疑り深い警察官であり、逃げ出そうと思えば逃げ出せたのに、そうできなくなっていった心理状態が恐ろしい。

妻の順子は、自分の一族を皆殺しにされたことになる。両親、妹夫婦、甥と姪の6人。
順子も始めは松永から逃げようとしていたが、連れ戻されて拷問。
そして自分の一族が互いに殺しあっていく様をただ傍観している。

この心理は一体どうなっているのか知りたくて最後まで読んだが、結局は分からなかった。

家族にしても、逃げ出そうと思えば、逃げ出すこともできたはずだった。
仕返しが怖くて逃げる気力も判断力もなにもかもなくなって、ただ松永に従うのがいちばんだと洗脳されていく恐ろしさ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク