むらさきのスカートの女が気になって気になって仕方がない女の視点で描かれている。
裏の帯に、「狂気と紙一重の滑稽さ。変わりえぬ日常」と書いてあるが、これほどまでに女性が女性をストーカーして観察し続ける女性も変人だが、むらさきのスカートの女の変人さもまた堂に入っている。
私が変人が出てくる小説や漫画を見ると嬉しくなるのは、自分と似ていて親近感があるからと、自分ももっと変人でいいのだという安心感があるからだ。
読み終わって、結局これは何が言いたかったのだろうかと首をかしげたくなったが、それは読む人がそれぞれに解釈すればいいのかと思った不思議な本だった。
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