『罪の轍』奥田英朗

実際にあった男児誘拐殺人事件を元に描かれている。
北海道に住む、莫迦と呼ばれた二十歳の男が犯した数々の犯罪。
それは、義父からひどい仕打ちを受けながら育った後遺症が原因だった。
子どもの頃の虐待を受けている時、恐怖で記憶を消そうとするあまり、体と心を分離させ、一時でも楽になる方法を身に着ける。
子どもの頃の記憶に及ぶと、恐怖で気を失ったり、犯罪を犯してしまう。
自分をこんなにも苦しめた義父を殺してから死刑になろうと北海道へ赴くが・・・。

大人の犠牲になった男の最後まで救いのない話だったが目が離せなかった。

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