『ヘブンメイカー』恒川光太郎

『スタープレイヤー』の続編

佐伯逸輝という大学生が、くじ引きの男に会い、籤をひくと一等賞のスタープレイヤーが当たる。
そこから異世界へ。
何でも10の願いを聞き入れられるスターボードを手渡される。
彼が考え抜いた1つ目の願いは、小学校の頃に好きだった女の子を呼び寄せることだった。
その女の子とは、大人になってから一度会ったのだが、そのあとにすぐに殺されてしまったのだ。
スターボードの願いは死んだ人も生き返らせる。
自分たちが住んでいた思い出のある藤沢市の街ごと、その女の子を召喚する。
そこから数年は、その子と二人、おだやかな比較的幸せな時を過ごしていく。
自分たち以外の人間と会うまでは。

戦争や内乱などを経て、最後、彼が使った10個目の願いとは。

自分の頭の中でこしらえた世界が出現し、その中で生活していくのはゲームの中のバーチャルな世界のようだ。ゲームのように人生も楽しんでしまえばいい。

ところで、読書をしていると、登場人物の性格に影響されることがある。
本書の中では、もう神格化している佐伯逸輝が奴隷市場で買ったレビという男の奴隷。
不遇な境遇へのいい意味での諦め、賢さ、主人への忠誠、穏やかな性格、これらを備えたレビを見習いたい。
かっとなった時に、レビならどうするかと考えたら落ち着きそうだ。
漫画でもなんでも、登場人物に啓発されることはよくあるので、読書でバーチャルな世界へ旅するのも最高のリフレッシュになる。

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