『金魚姫』荻原浩

恋人にふられ、仕事もイマイチの20代男が鬱っぽくなって自殺しようかというところで、祭りの屋台で金魚すくいをする。
狙った金魚がすくえたら、自殺はしないでおこうという願掛けをしたら、その金魚をすくえてしまった。

そういう安易な流れでとりあえず帰宅したその夜、ひた、ひた、ひたという音が・・・
見るとそこには、赤い衣装を着た女性が。
金魚から人間へ、人間から金魚へ、変化自由な妖怪とともに暮らすことになる。

それからというもの、男には、見えないものが見えるようになってしまった。
はからずとも、それが仕事の営業成績に結びつき、仕事も好調に。

この男が、金魚姫と出会ったことにより、「仕事も選ばなければなんとでもなる」という、いい開き直りで生きられるようになったのは頼もしいと思った。
たしかに、見栄えのいい仕事、世間体こだわらなければ、自由に生きることもできる。

あと、愛する者が、ただ生きていてくれるだけで、ありがたいという気持ちにも共感できた。
それと同時に、自殺をしたら、自分を愛する者をどんなに傷つけてしまうかと思うと、安易に死ぬことなど考えてはいけないなあと思った。

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