『残虐記』桐野夏生

小学4年生の少女がバレエ教室からの帰宅途中に25歳男性に部屋に誘われそのまま監禁されてしまう。

1年後に発見されるのだが、そのあとのマスコミや周囲の人々の興味の対象にさらされ、心を固く閉ざしてしまう。

この小説は、1990年に実際に起こった柏崎少女監禁事件(9年間監禁)を元に描かれている。

この、おぞましい一年間、この少女に何が起こったのか、人々は同情もすれば、興味本位の好奇心も持ちあがってくる。それを敏感に察した少女はけっして本当のことを言わないが、犯人からの視点など、様々な角度から、事実が解き明かされていく。

実は私も興味本位でこの本を読み始めたが、事件そのものよりも、事件の背景や事件があたえた影響なども興味深く読むことができた。

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