若者が、海の見える田舎の理髪店にわざわざ赴いていく。
そこには高齢だが背筋がしゃきっとした店主がいた。
髪を整えてもらいながら、店主は一方的に自分のことを語りだす。
小さかった頃から、理髪店の親の手伝い、結婚、事業の失敗、離婚、二度目の結婚、そして・・・・・
髪を整えるだけでなく、頭や肩や手のマッサージを丁寧にしてもらいながら、語り続ける店主。
そして、驚きの最後が。なんと、こういうことだったのか!
店主は途中から気が付いていた。若者ははじめから承知だった。
じわじわと感動が沸き起こってくる短編集。
この作者はこういう話が本当にうまいと思う。
リンク