『雷の季節の終わりに』恒川光一郎

この作者の本は『夜市』から続いて2冊目になる。

『夜市』も次の短編も、現実の世界から異世界への境界線があって出入りするような話だったけど、この本でもそうだった。そういう設定が得意なんだろうな。

前作が、暗い話ながらもファンタジー系だったのに対し、こちらのはかなり残酷極まりないので、こういうのも書くんだと意外に思いながら読んでいた。

残酷描写や過酷な境遇などの小説を読むと、自分が現実世界で嫌なことがあっても、あの世界に比べればラッキーすぎる環境じゃないかと思えてくるところが小説の良いところだ。

読みながら感情移入して、身の危険が迫ってくる時に、自分なら足手まといの子供を見捨てていくだろうなと思ったが、本の中の人は見捨てないで、守ろうとする。

自分って駄目だなあと反省したり。こういう読み方をするのも読書の楽しみだったりする。


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