『ボトルネック』米澤穂信

‬高校生のぼくは事故で亡くなった恋人を悼むために東尋坊を訪れた。崖から転落したかと思いきや、気がつけばなせか金沢にいた。‬
‪家に帰るとそこには生まれなかったはずの姉がいた。‬
‪自分が生まれていた世界から、自分の代わりに姉が生まれていたパラレルワールド的な別世界へ紛れこんでしまったわけだ。
3日間暮らすうちに、自分が生まれずに、代わりに姉が生まれていた世界の方がはるかに良い世界になっていたという残酷すぎる事実を知る。
生きる意味を見失いながらも、気が付けばまた元の世界の東尋坊に舞い戻っていた。
何もかも終わらせるににはもってこいの崖っぷちに佇みながら、ここで終わらせるか、絶望のまま生き続けるか、途方に暮れる。

もしもパラレルワールドがあって、自分を取り巻くもっといい世界が存在するとしたら、今の世界に絶望することがあっても、別の世界の方に近づけるか、移行していくかできたら、救われるだろうなと思った。
主人公がこのあとどちらを選ぶのかは書かれずに終わっているので、読み手ならどうするかと考えさせられる。


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