『あかんべえ』宮部みゆき

新しく料理屋として開業しようとした家には、お化けが住み着いていたという時代小説。
お化けは何体もいるのだが、12歳のおりんにだけ、全てのお化けの姿が見える。
お店を開店して初めてのお客様の前に、お化けたちが暴れまわってしまい大騒動に。
この料理屋にお化けが出るという噂が出てしまう。
それを逆手に取って売りにしようではないかと言っていると、お化けが見えるという家と家との対立の場として、この料理屋が使われることになりまたひと騒動。

不思議なことに、お化けが視える人と視えない人がいて、それも、このお化けは視えるが、別のお化けは視えないといったことが起こる。
それはその人が抱えた心の問題と関係があった。

お化けたちも始めはなぜ自分たちが成仏できずにいるのか分からないでいるが、真相が明らかになるにつれ、自分がどうやって死んだのか思い出し、この世にとどまっているのは間違いなのだと分かっていく。

おりんを取り巻くお化けたちがあまりにも人間っぽくて魅力的でもあり、生きている人間もお化けに負けずと恐ろしいものだと、我が身を顧みながら読めるかもしれない。



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