殺人は殺人でも、家族や身内でなされる保険金殺人。
もらうためにどんなことでもするという人は一定数いるので、保険会社も自殺なのか他殺なのか、警察のように調査をしなければならない。
殺人を犯す時点でおかしいのだが、ここに出てくるのは「心がない」と言われるサイコパスの人間。
我が子を殺すはずがないという先入観は捨てた方がいい。
怒り狂ったサイコパスの残酷さはもはや「心がない」と言われる部類なのだろうが、はじめからそんな人はいないと主張する心理学専門家。
子供の頃にどう扱われたか、その扱われ方を他人にもするという考えもある。
世の中にどのくらいの割合で、近づいてはいけないサイコパスがいるのだろうか。
そんな相手に巡り合ってしまった保険会社の主人公の気持ち
これ以上、彼らと関わりを持ちたくなかった。世間並の常識が通用するまともな人たちを相手に、まともな仕事がしたいと切実に思った。
ここを読んで、これほど異常な相手をしながらの仕事も世の中に存在するんだと思うと、普段の自分の仕事がとてもありがたく思えてきた。
少なくとも命を執拗に狙われることはないのだから。
この本は最後の最後までホラーだった。