入れ歯のお客様

先日、あるお客様がお帰りになった後、後片付けをしようとしたら、なんと、お盆の上に部分入れ歯のお忘れ物があった、
気が付かずに捨てなくてよかった。
それを保管していたら、すぐに気が付かれたのか、間もなく入れ歯を取りにいらっしゃった。
モノがモノだけに、お客様に恥ずかしい思いをさせてはいけない。
お客様に「入れ歯」という恥ずかしい単語を言わせてしまう前に、間髪いれずに「お忘れ物ですね。少々お待ちください」と、ソレを取りにいった。

それ以来、そのお客様はよくご来店される。もしかして、それまでも来ていらっしゃっていたのかもしれないが、「入れ歯」という強烈なイメージができてしまったために、覚えしまったのかもしれない。

お帰りになった後には、入れ歯がないかちゃんとチェックし、「入れ歯のお忘れ物なし!」と報告するのだった。

もうそのお客様の名前は「入れ歯の人」というのが業界用語化してしまった。

お客様にとっては、まさか自分が「入れ歯の人」と言われてるなんて思いもしないだろうなあ。

そう考えると、私が普段行ってるお店でも、「またあの人来た」とか言われてるんじゃないかと。
それだけじゃなく、変なあだ名がついているかもしれない。
コンビニなどでは、店員どうしで、お客様にあだ名をつけているというではないか。
私なども、知らぬが仏で、影で何と言われてるか分からないが、平然とお店を利用している可能性は大きい。

今日はどんなお客様がいらっしゃるだろうか。
変なお客様だと面白くてよい。


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